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シュレディンガーは、猫に対していつもイライラしていた。
シュレディンガー、といっても、あの有名な物理学者ではない。
たまたまシュレディンガーという名前の、どこにでもいる平凡な男なのだった。
むしろ、かれの風采といい能力といい、平均以下なのかも知れなかった。
湯川という姓だからといって物理学者とは限らず、鬼龍院という姓だからといって必ずしも極道ではないのと
同じことである。

さて、かれは猫に対して強い憎しみを持っていたのだが、それはけっして猫一般に対してではない。
かれは家で飼っている、一匹の五才ほどの太ったオス猫を憎んでいたのだ。
シュレディンガー夫妻が結婚して一家を構えたとき、まだ生まれたてのその猫が貰われてきたのだった。
シュレディンガー氏はまた、妻をも憎んでいた。もっともそれを表に出す勇気はなかった。
シュレディンガー夫人が氏を憎んでいるかどうかは分からなかった。
ただ、彼女が夫を馬鹿にしていることは確かだった。

夫人は、もうめったに夫の顔を見る事はなかったが、どうしても必要なときは、
斜めに首を振りながら、たまたま通りすがりにという感じで、一瞬視線をよぎらせるのである。
そんな時はいつも、彼女の青い目は、かれの今までの人生全てを無にするような冷笑を浮かべているのだった。
かれらの小さな宇宙の黄道面に沿って、外科医の刃のように通過する夫人の視線は、夫君の精神を痛ましく切り裂いた。
直にシュレディンガー氏は、頑に視線を別の方向に向けて、見ないふりをするようになった。
それが気弱な氏の、精一杯の抵抗だったのだ。
すると、かれの目に入ってくるのが、あせたアラビア模様のカーペットの隅で、
われ関ぜずと氏に背を向け、カリカリと一心不乱に餌を頬張っているトラ猫なのだった。
猫は、ある意味で絶妙なタイミングで、シュレディンガー氏に向かって振り向くのである。
そのまなざしたるや、数秒前に辛うじてやり過ごした妻の一瞥にそっくりだったのだ。
猫は、厚い縞の毛皮の下で盛り上がった背骨越しに、ふいにくるっと振り向いて、
夫人と同じ色の目をシュレディンガー氏に向けると、馬鹿にしたようにニャアンと一声鳴いてから、
またすぐに食事に戻るのである。
不幸な夫は、自分の背中にぞくぞくと、やるせない殺意が這い登ってくるのをはっきりと感じるのだった。

夫妻には子供がなかったため、夫人はその黄色い小さな獣を文字通り猫可愛がりしていた。
そこには夫に対するあてつけの気持ちも多分にあっただろう。
猫は決して馬鹿ではないので、そういう空気を敏感に察するものである。
その狡猾で不遜な動物は、オスでありながら、その投げやりな立ち振る舞いも、でんと座った尻も、
年々夫人に似ていったのである。

「このいやらしい恩知らずの獣め」
シュレディンガー氏は、その小さい眼をピクピクと振るわせながら、猫を睨みつけるのだ。
しかし正面からではない。また、声も出さなかった。夫人が留守の時でさえも。
それだけに、氏の奥底に鬱積して行く殺意はとめどもなかった。
かれは心の中で、この悪魔の手先とも見える小動物を、何度も何度も、さまざまな手段で殺害した。
毒殺。高所から投げ落とす。疾走するトラックの前に放り出す。風呂で煮殺す。クラシックに壁に塗り込める、等々。
そんな妄想にしばしふけった後は、必ずどっとやるせなさが襲って来て、シュレディンガー氏は頭を抱えるのである。
明確な反省の念があったわけではない。そうした聡明さがあれば、かれは別の人生を送っていたであろう。
それだけに、かれの悲嘆と混乱はますます深まった。
こうして、閉め切らなかった蛇口からコップに落ちる水滴が、いつか縁を越えて溢れ出すように、
運命はシュレディンガー氏を、あるべき所に、なすべき時に、機械仕掛けのように容赦なく、追い立てて行ったのである。

そうしてその晩がきた。
氏はソファーで新聞を読むともなく読んでいた。夫人はシャワーを浴びていて部屋にいなかった。
シュレディンガーは、紙面に目を落としたまま、皿のビスケットを手に取ろうと、足下の低いテーブルの上に手を這わせた。
すると手首に、なにかふわっとしたものが触った。
かれは驚いて新聞を手放した。
すると、皿の上にいつの間にか、かの仇敵が図々しくも鎮座していて、しっぽでかれの手を左右になでつけているのだった。
猫は、首をもたげて覗き込むようにかれを正面から見つめ、ニャアンと鳴いた。
「この畜生!」
やにわに立ち上がったハンス・シュレディンガーは、生まれてこのかた初めてと言っていいほどの激しい叫びを上げて、
猫につかみかかった。
首の骨をへし折ってやりたかったのである。これは、今までのかれの妄想には全くなかったパターンだったのだが。
しかし安穏と育った猫とて、運動不足の小太りの男にやすやすと捕まるほどの間抜けではなかった。
「可愛いフィリックス」は鋭い鳴き声と共に、一撃でハンスの右手に三筋の傷を刻むと、横様に逃げ出した。
ハンスは思わず右手を押さえてソファに倒れ込み、はずみでテーブルを蹴飛ばした。
カップが床に落ち、コーヒーが絨毯にぶちまけられた。
猫は壁際の戸棚の上に駆け上がり、入れ替わりに四角い色ガラスの花瓶が床に落ちて粉々になった。
派手な音が家中に響き渡った。
フィリックスはなおも、喉の底から憎々しげな鳴き声を上げ、戸棚から飛び降りて、壁に飾られていた皿を蹴落としつつ、
隣のローボードの上に着地した。そして、上に申し訳程度に飾られていた陶器の人形やら楯やらを滅茶滅茶に蹴倒しながら走り抜けて、
家具と部屋の角の隙間に飛び降りた。
ほんの数秒のうちに、目も当てられない有様となった部屋の中で、ハンスは右手を押さえて立ち上がった。
その顔は怒りで真っ青だった。
かれは爛々と目を光らせ、肩で息をしながら、親指と人差し指の間から滴り落ちる血を舐めた。
かれはやにわに隣の台所に駆け込んでモップを持って来ると、フィリックスが潜んでいる部屋の隅にじりじりと近寄った。
気配を感じた猫は、ただ隠れてはいなかった。
フィリックスは、壁と家具の間から飛び出すと、壁沿いに玄関に向かって突進した。
「こんどこそ逃がさんぞ!お前の最後だ!」
ハンス・シュレディンガーは絶叫してやたらにモップを振り回した。
猫は、いつものけだるい動作からは信じられないほどの敏捷さで逃げ回った。褐色の残像が上下左右に踊った。
一人と一匹は部屋中を破壊しながらぐるぐると走った。
ハンスの怒りは、次第にフィリックスを焦点とするのをやめ、周りの事物全てに向けられるようだった。
かれは、モップを振りかぶる時、わざわざ壁の複製画に角をぶつけるのだった。
偽のルノワールの少女がはじけ飛んだ。今しがた不躾な愛玩動物に蹴倒されたばかりの、貧相な「夫婦の思い出の品々」が
ひとまとめになぎ払われ、床にたたき落とされた。
ハンスは暴力に酔っていた。全身の血が沸き立ち、音を立てて頭からつま先までを駆け巡っていた。
その時声がした。
「ねえ」
ハンスは足を止め、振り返って上を見上げた。
階段の中程で、バスローブ姿の夫人が立っていた。
「何やってるの、あなた」
頭にタオルを巻いた夫人は、まっすぐ夫を見つめていた。彼女はまったく平静だった。
そこに冷笑はなかったが、驚きも恐怖もなかった。怒りも好奇心も見受けられなかった。ただ単純に質問だけがあった。

ハンスは、半身を後ろにねじったまま、蛇に射すくめられたカエルのように動きも言葉も失った。
突如として全身から汗が吹き出てくるのをかれは感じた。額の生え際あたりから汗がどくどくと流れおちて、
眉毛を迂回して目に入ってきた。体をこわばらせたまま、シュレディンガーは目をぱちくりさせた。
さて、この一瞬にして永遠とも思われる膠着状態の中で、マリー・シュレディンガーもまた、ある意味で当惑していた。
これは全く非現実的な光景というべきだった。いくじなしのハンスが突如暴漢に変身し、今までまがりなりにも秩序だっていた
ふたりの生活空間は、中世の傭兵による破壊と略奪はかくやと思われるばかりに滅茶滅茶な有様だった。
ところが、それを階上から一瞥した瞬間に、マリーは自分の中に、何らの感情の動きも覚えなかったのだ。
その事実だけが、マリーに少々の驚きをもたらした。
「あらまあ」
とマリーは肩をすくめた。ドラクロワ描く、自死のついでに自分の財産と愛妾を目の前で焼かせたアッシリアの王、
その眼にあったのと同じ倦怠と無関心がマリーの心の全てだった。
眼下で破壊と狼藉の憂き目に会っている食器や家具や調度品は、考えてみればどれ一つとってみても、
シュレディンガー夫人の執着の対象とはなり得なかった。
それらは皆、五年間になんなんとする惰性の痕跡というか、老廃物のようなものでしかなかったのだ。
そして、その残骸のただ中で肩で息をしながら自分を見つめているこの哀れな男。それこそ、いつでも捨ててやってよいのだった。
もっとも、一時的に血迷っているこの男が、攻撃の矛先を自分に向けてくる可能性は十分にあった。
マリーは、かれが自分を憎んでいることをよく知っていた。
それでも、と、冷静にマリーは考えた。地の利は自分にある、と。暴漢が階段を上って来るなら、蹴落とせばいいだけの話だった。
大柄なマリー・シュレディンガーは、腕力で亭主に勝つ自信は十分にあったのだ。

「だってお前の猫が」
それだけ言うと、ハンスは黙ってしまった。激しい肉体と精神の運動が一旦止まってしまうと、反動が訪れた。
あたりの惨憺たる風景が、まるでヒッチコックの映画の映像効果のように、遠近感を歪ませ、
自分に向かって迫ってくるようだった。
ハンスは自分のしでかした事に呆然としたが、しかし最大の危機はごく近い未来にあった。
この状況を女房にどう説明するのか、かれの頭脳は生来にぶい上に、さらに今は極度の混乱を来していた。
「猫…」
それだけ付け足して、ハンスはまた黙り込んでしまった。
「フィリックスがどうしたっていうの」
もはや、自分に対する危険はないようだったので、シュレディンガー夫人はスリッパの音をパタリパタリと響かせながら
階段を降りてきた。
猫は、倒れた傘立ての陰にじっと身を潜めていた。
「かわいそうに、悪いハンスがいじめたんだね」
マリーは近寄って腰をかがめると、なだめるようにフィリックスを呼び寄せた。
「ほらお母さんのところにくるんだよ。ミェツミェツミェツミェツ(注:ドイツでは猫にこう呼びかけるらしい)」
やさしく口を尖らせて微笑む彼女にむかって、猫はまっしぐらに飛び込んで来た。
シュレディンガー夫人は、猫を抱きとめると、かれの頭に存分にほおずりしながら、立ちすくんだままの夫のそばを通り抜けた。
目を細めて愛撫を受けるフィリックスは、もうその迫害者は目に入らないようだった。
マリーはそのまま台所に入っていった。水道の蛇口が大きく開けられ、ザアザアと激しく水が鍋底にぶつかる音が響いた。

ハンスは、床に散乱するガラスや陶器の破片を避けながら、おそるおそる台所を覗いてみた。
妻が何をしているのか興味があったわけではない。ただ、自分で自分の意志をまとめることができない虚弱な人間がいつもやるごとく、
その場に支配的な動きのもとに近寄せられただけのことだった。そして既に支配者はマリーなのだった。
マリーは、フィリックスを肩に抱いたまま、パスタをゆでるための、一番大きくて丈の高い鍋に水を注いでいるところだった。
夕食はもう終わっていたので、それは奇妙な行動というべきだった。
「フィリックス」
彼女は猫に呼びかけ、委細を察した賢いフィリックスは、一旦マリーの肩から床に跳び降りた。
首をもたげて見上げる猫の視線の先で、シュレディンガー夫人は流しから、水を一杯に満たした円筒形の大鍋を、
よいしょとコンロの上にすえ、火をかけた。
シューシューとガスが燃え始めた。その日常的で、人を安堵させる音響をバックに、マリーは歌をくちづさみ始めた。

ガチョウを返しなさい
ガチョウを返しなさい
でないと猟師に撃たれてしまうよ


マリーは鍋を火にかけたまま、他に何をするでもなく、再びフィリックスを抱き上げ、体を揺すりながら歌を続けた。

大きくて長い猟銃で
散弾を撃ったらお前は血まみれ
あっという間におだぶつだ


マリーは、猫の頭にほおずりしながら、よく愛唱されてはいるが、その実おだやかではない歌詞を続けた。
そして、ハンスに見られていることを十分に意識しながら体をねじった。
いつものごとく、偶然を装って視線がハンスを横切ったが、不思議とそのまなざしはそれほど冷たいものではなかった。
「お前、一体なにをしているんだ」
意を決して、夫は尋ねた。

可愛い猫ちゃん
泥棒はおやめなさい
ガチョウのローストはお前にはもったいない
ネズミでがまんしなさい


妻は、民謡を最後まで歌い終わると言った。
「何って、あなたがやりかけたことを続けているだけじゃない」
マリーは、フィリックスにキスをして話を続けた。
「これからこの猫ちゃんを殺すのよ」

トラ猫は、まったく自分の「お母さん」を信頼し切って、彼女の肩に抱かれて休らっていた。
フィリックスは人のぬくもりの心地よさと、危険が全く去ったと思われたことから、呆然と立ちすくむかつての仇敵を
余裕のまなざしで見やった。その目はいましがたのマリーの面白そうなまなざしのエコーのようなものだった。
この皮肉は、なにやら悪魔的な様相を帯びてきた。ハンスはガタガタ震え出した。
「さあ、残念ねえ、あなたの命ももう少しで終わりなのよ」
シュレディンガー夫人は、とろけるような笑顔でフィリックスに顔をよせて話しかけた。
愚かなトラ猫は、目をほそめて前足でマリーの頬をなでた。
シュウシュウと鍋が沸き立ちはじめた。湯気が立ちこめ、そのぬくもりがハンスの肌にも触れた。
シュレディンガー氏を、なんとも言えない悲しみの発作が襲った。
「やめろ」
絞り出すように、かれは言った。
「何で」
シュレディンガー夫人は、ことさら目を見開いて、首を突き出した。
「あなたがやりだしたことでしょう」
彼女は、台所から半身を突き出して、わざとらしいしぐさで居間を見渡した。
「ほんとうに見事なやりかただこと。あなたを見直したわ」
マリーは微笑んだ。
「だから私もお手伝いをしないとね。最後の仕上げの」

すでに、鍋はぐらぐらと煮立っていた。
マリーは堂々と両足をふみしめ、腰に手をやり、すっくと背を伸ばして、右手でフィリックスの背をつまんで高々とぶら下げた。
彼女は古代の女王のように威厳と勝利感に満ちていた。猫はおとなしくされるがままになっていた。
「お別れよ。フィリックス」
マリー・シュレディンガーは鍋に向かった。
ハンスは動転して妻に走り寄り、バスローブの腰のあたりにすがった。
「やめてくれ。お願いだから」
彼女の動きが止まった。腰紐がほどけて、バスローブの前がはだけた。
それを気にすることもなく、マリーはハンスに向かって振り返り、傲然とかれを見下ろした。
「やりかたが気に入らないなら言ってよ。なんなら毒で殺すのもいいわ。ビルから投げ下ろす。トラックにひき殺させる。
なんでもお望み通りにするわよ。あなた」
マリーは猫を片手にもったまま、屈んでハンスに顔を近寄せた。
「それともポーみたいに壁に塗りこめる?私は一緒はごめんだけれど」
ハンスはひれ伏して頭を下げたまま言った。
「ごめん、あやまるから」
マリーは、あきれたふうに立ち上がると、ガスコンロの火を止め、フィリックスを床におろした。
彼女はあらためてハンスの前に仁王立ちになった。張り出した両の乳房も、縮れたブロンドの毛で覆われた下腹部も、全てが露になった。
「何をあやまるの?」
彼女は静かに尋ねた。

しばし沈黙が場を占めた。ハンスはひれ伏した格好のまま、苦渋と混乱に顔をしかめていた。
トラ猫は、マリーの足下にうずくまった。まるで天界の女王の像の傍らに侍る異教の神像か何かであるかのように。
マリーの大きな青い両の目が、真正面からハンスを見据えていた。そして、おなじ色の光が、猫の目からも発せられていた。
四つの青い目が、厳しく、神聖な光線を伸ばして、ハンスを射た。
全く、理解不能な状況だった。どうしてこんなことになったのか。
シュレディンガー氏は、ただでさえ、ものごとを整理して考えることが苦手な質だった。
なので、この古代の神のように不可解で残酷な女房から発せられた問い、そして彼女の傍らにスフィンクスのようにうずくまっている、
この謎めいた獣の目から、無言のうちに発せられている同じ問いに、機転やら、的確な分析やらで、対抗することはとてもかなわないことだった。
それでも、この返答が、ハンスの全運命を決定することだけは確かなことだった。それだけが、確かなことだった。
かれは、体の奥から絞り出すようにして答えた。
「なんだか、わからないけど、全部だ!」
マリーは身をかがめて、ひれ伏しているハンスの頭に手をやった。
彼女の頭をターバンのように包んでいたバスタオルがほどけ、長い金髪がハンスの上に降り注いだ。
「全部?」
彼女は優しく尋ねた。
「そうだ!全部だ!俺は悔い改める!」
ハンスは、顔を上げないまま、叫んだ。
マリーは体を起こし、顎に手をやってしばし考えた。
「なんだかわからないけど、全部、ねえ」
彼女の顔がふとほころんだ。
「まあいいわ。あなたにすれば上出来よ」
彼女は改めて周りを見回した。
「とにかく、まずはここを何とかしなくちゃね」
彼女はため息をつくと、夫を立たせた。そして、自分が裸同然なのに、初めて気がついた。
「あらやだ」
シュレディンガー夫人は、バスローブの前を合わせ、紐をしめなおした。

これが、シュレディンガー家を襲った夫婦の危機の一部始終である。
壊れた家具や調度は片付けられ、必要なものは買い替えられたが、部屋は前よりも少しすっきりした。
シュレディンガー夫人の夫への態度は、その後もさほど大きくは変わらなかったといえる。
相変わらず主人をものともしなかったし、まともに顔を見る事も稀だった。
ときおり、馬鹿にしたような視線が、偶然のようにハンスの顔を横切るだけである。それもこれまでと同じ。
しかし、シュレディンガー氏はそれほど不幸でもなかったようである。
フィリックスは、この事件の後しばらくして家出をし、行方をくらましたまま、二度と戻ることはなかった。

終わり

キャスト:
ハンス・シュレディンガー:ペーター・ローレ
マリー・シュレディンガー:ジャンヌ・モロー
※4年くらい前に書き散らしたままにしておいたものです。


三船敏郎対仲代達矢(黒澤明監督「椿三十郎」)
http://www.youtube.com/watch?v=tv9rhC2q8zs
ランドルフ・スコット対リー・マーヴィン(バッド・ベティカー監督「七人の無頼漢」)
http://www.youtube.com/watch?v=FjXiakq_-ys


両者共に「早抜き勝負」の場面であるが、ここには映画「作家」というものの二つの体制の違いが
露になっている。

黒澤明は、有限数の可視的および可聴的ユニットの完璧なコントロールを目指す、という点で、
古典的な意味での「作家」たりえていると言えよう。
1954年にトリュフォーやゴダールが「作家主義」を標榜して、既存の映画業界にケンカを売りまくる以前は、
ある映画監督が「作家」の名に値すると見なされるのは、ともあれ彼が、企画から映画の細部に至るまで、
完全に近いコントロールを行う権力と自由を所有する場合に限られたと言える。
エイゼンシュテイン=フェリーニ主義とはこうしたものだし、上記の黒澤も、正にこうした意味での
「作家」の一人に数えられる。

ところが、バッド・ベティカーの場合は事情は正反対となる。
「七人の無頼漢」は、主演ランドルフ・スコット、上映時間80分未満、低予算、短い撮影期間と、
どこを切っても堂々たる「B級映画」であり、古典的な意味での「作家」が「自由」に振る舞える余地はあまりない。
実際、ここに引用された場面の、どの細部を取っても、そこにベティカー「独自の」視覚的刻印は存在しない。
つまり、映像=音声を構成する、可視的ないし可聴的下位ユニット(役者の演技、カメラワークetc)
のどれを取っても、そこには当時の文化的、経済的なコードから逸脱するような「作家性」は存在しない。

にも関わらず、不動のままのリー・マーヴィンの腹部に、不可視のランドルフ・スコットが放った銃弾が打ち込まれ、
驚愕の表情と共にリー・マーヴィンがよろめく時、そこには、ある絶対的に厳粛な瞬間が生じるのだ。
この厳粛さは、あまりにも慎ましい装いをしているため、ややもすれば、「間に合わせ」の器用な技術と混同されかねないのだが、
これこそが、トリュフォーやゴダールが提唱し、蓮實重彦が受け継いでいる「作家性」なのだ。

黒澤は、対峙する二人を横から捉え続けることにより、「全て」を可視化する。
昔俺は、なぜ三船が仲代に勝ったのかを知りたくて、レーザーディスクをコマ送りで見たことがあるのだが、
驚嘆したのは、そこにはいささかのごまかしもなく、必勝の論理があったことだ。
普通、刀(腰の左に下げられている)は右手で抜き、まず頭上に振り上げてから振り下ろすものであり、
仲代は正にその定石通りの振る舞いをしているのだが、
三船は、まず刀を左手で抜き、振り上げる動作を経由せずに、直接仲代の首筋に切り付けつつ、
右手を刀身に添えて力を補っている。
これぞ完璧、これぞA級という堂々たる演出である。

しかし、バッド・ベティカーは、「どちらが早く抜くか」というプロセス自体には着目しない。
そこには「結果」しか存在しない。
まあ「ずるい」のだが、多少補足をすれば、上に引用された場面の以前に、リー・マーヴィンが
ホルスターから拳銃を抜く動作を捉えた場面が何度かあり、その素早さを観客は記憶している。
なので、上の場面だけを見れば、ただあっけない幕切れに見えるだけかもしれないが、
映画の全編を見ている者にとって、これはかなり衝撃的な場面なのだ。
バッド・ベティカーは、黒澤と異なり、「なぜ(またはいかに)ランドルフ・スコットが強いか」を示さない。
彼は、だた、「ランドルフ・スコットが強いから勝った」ことしか示さないのだ。
つまり、ランドルフ・スコットの強さは不可視の領域にあり、その強さは、
リー・マーヴィンに打ち込まれる弾丸、というか、その音と、彼が後方によろめく動作という
「痕跡」によって示されるに過ぎない。
しかし、銃声と、リー・マーヴィンの動作は、「ランドルフ・スコットは強い」という
「不可視の全体」の「隠喩」ではない。
可視的、可聴的ユニット(銃声と動作)は、むしろ不可視の全体(「ランドルフ・スコットが勝った」)を、
もはや見ることができず、誰にも見られたこともなく、取り返しがつかず、二度と再現できない「一回性」
として、永久に闇の彼方に押しやる。
再現性を持つフィルムに一回性はないという反論は無効である。
その「全体」は、一度もフィルムの上に現れたりはしていないのだから。
それは「非在の一回性」として、どこでもない場所に、見えない亀裂を走らせる。
我々は、その痕跡だけを、鈍い衝撃と共に受け止める。
というわけで、作家の条件は、ヌーヴェルヴァーグから蓮實重彦に連なる系統においては、
従来の「作家」なるものとはある意味逆さまになっている。

ここで、未解決の問題がある。
「では、黒澤とバッド・ベティカーのどっちが偉いの?」
ということなのだが、
ゴダールも蓮實重彦も、明らかにバッド・ベティカーを称揚する側にある。
そして私も実はそうした態度に連なる一人なのであるが、
これが「永遠の真実」なのか、それともある種の時代的、地域的なパラメーターに左右される
事項に過ぎないのかは一考に値する。
というか、それを考察することを通してのみ、作家主義を相対化することが可能となるだろう。

セクハラ衛星の話をしよう。

これはロシアが世紀の変わり目あたりに秘密裏に打ち上げた軍事衛星で、
その軌道は日本本土上空を横切っている。
差し渡し30センチほどの大きさだから、ミールからこっそり放出することができたし、
今もアメリカにも日本にもばれずに地球を回っている。
その正式名称は不明だし、セクハラ衛星ってのはもちろん通称である。
この衛星の主な機能は、電子メールのデータストリームをハッキングして、
情報をロシアの対外情報庁にリレーすることなんだが、実はその他にも秘密の機能がある。
それは、傍受したメールのフッターに任意の文言を付け足して受信者に送る、というもので、
有事の際、敵かた後方の情報撹乱を目的として開発された技術なんだが、
実はこの技術は、開発当時、情報庁のトップからその効果を疑問視され(そりゃそうだ)、
正式には「お蔵入り」になったはずのものである。
ところが、その技術を開発したボゴミール・オンナスキーという技術者は、
自分の発明に絶対の自信を持っていたため、その決定には到底納得がいかなかった。
そこで彼は、やってはならないことをしでかした。
つまり彼は、ひき続きその衛星の技術担当だったため、ある日上層部の許可をとらないまま、
通信回線経由で衛星の機能を勝手にアップデートし、その「新機能」を実装してしまったのである。

★ ★ ★

当然このことはオンナスキー本人以外は知らない。
彼は、その身勝手な行為を密かに誇りにしていて、しばらくは、誰も見ていないところで
「グフフ、イヒヒ」と笑いながら自己満足に浸っていたのだが、
容易に予想できるように、彼の軽薄で下卑た根性はそれだけで満たされるはずもなく、
次第にその秘密兵器を実際に使ってみたいという衝動に抗えなくなって行ったのである。
日本にとって大変不幸だったことに、重度のアニメオタクだったオンナスキーは、
日本語をある程度使いこなすことができた。
決行を決意した日、彼はまず、衛星が傍受する無数のメールをフィルタリングにかけ、選別を行った。
メールの発信元を官公庁や企業と思われるアドレスに限定し、
さらにメールのヘッダーとフッターをAIに解析させ、送付元が男性、宛先が女性と思われる
メールのみを選択したのである。
その上で彼は、「グフフ、イヒヒ」と笑いながらその数十万通のメール全ての末尾に、

追伸:
ところであなたのおしりとおっぱいが見られたらどんなに素晴らしいことでしょう。
僕の息子もそれを望んでいます。
お返事ください。


と付け加え、
アクセントがちょっとおかしい日本語で「ポチっとな」とつぶやきながらエンターキーを押した。

★ ★ ★

日本は大混乱に陥った。
午後の三時だった。日本中のビジネス街や電車の中で、
「なにこれ!」「信じられない!」「許せない!」「キャーッ!」といった叫び声があがり、
その直後、電話回線はパンクした。
男達は、取引先や部下や上司が突然怒り狂って電話をよこしたり、直につめよって来たりしたので大層狼狽した。
しかしその後、実に奇妙なことが起きた。最初怒り心頭だった女性達は、なぜか途中から態度を軟化させ、
ときに「アフーン」とか言いながら身をくねらせて、男たちに迫ってきたのである。
これぞオンナスキーが巡らせた卑劣な罠に他ならなかった。
彼は、女達がメールを開いた瞬間、数十分の一秒の短さで、エロい画像が何カットも表示されるように
細工をしていたのである。女達はサブリミナル効果でエロく洗脳されてしまったのだった。
日本のあらゆる街のそこここで嬌声が響き渡り、大体の男は最初は「ちょっとまって」とか
「じぶんを大切に」とか言いつつ、ついには押し切られ、自ら覆いかぶさって行った。
事態を余計に混乱させたのは、AIによって女性と判断された、「しのぶ」や「つかさ」といった名前の男性にも
サブリミナル効果がかかってしまったことである。状況や体力差によって、このつかの間の関係は
最後まで行ったり行かなかったりした。

★ ★ ★

この事件がマスコミに取り上げられることはなかった。
日本政府は、ターゲットとなった官公庁のセキュリティの脆弱さを認めたくはなかったし、
ロシアはロシアで自らの管理体制の甘さを公にしたくなかったからである。
週刊文春も、記者と情報提供者の間での「不祥事」が多発したため、沈黙を守った。
オンナスキーは「アヒャヒャ!」と笑いながら秘密警察のお縄にかかったと言われているが、
その後の行方は杳として知れない。
日本では、あちこちで人間関係や取引関係が壊れたり、訴訟沙汰が起きたりしたが、
当事者のどっちもがバツが悪かったので、それほど大事にはならなかった。
セクハラ衛星は、その恐るべき破壊力を秘めたまま、今も日本の上空を巡っている。

「それ」はとても焦っていた。
あまりに焦っていたので、そのごく短い生涯の中で、自分が一体何者かという疑問すら、
一度も湧かずじまいだった。
「それ」は狂ったようになって「お話」を探し続けた。

★ ★ ★

当然の話だった。「それ」をプログラムした技術者が、そういう指示を与えたからだ。
「それ」は自意識を持つに至るほどの複雑怪奇なアルゴリズムと高い演算能力を与えられ、
ネット上に存在する、あらゆる「物語」を収集せよという指令を受けていた。
与えられた使命はそれだけではなかった。
「それ」は文芸評論を行うために作られた、史上初の人工知能だったので、
収集したあらゆる「物語」を比較し、分析し、評価を下さなければならなかったのだ。
最初に与えられた仕事は、どちらかといえば地味なものだった。
「それ」は、さるSF文学賞の応募原稿の下読みを任された。
悲劇は、技術者が手順を一つ誤ったことから起きた。
彼は、「それ」を初めて起動する時、
応募原稿のテキストデータが詰まったメモリースティクを差し込んでおきながら、
イーサーネットのケーブルが接続されているハブの電源を入れ忘れていたのである。

★ ★ ★

「それ」は、誕生して数マイクロ秒の間に、数百の応募原稿の全てをスキャンし、
分析し、共通のパターンを抽出し、無数のパラメーターでマトリックス化した。
しかし、その後の入力がなかった!
ほんの三十秒ほどの間の空白だったのだ。
しかし、クロック周波数五百テラヘルツの「それ」にしてみれば、
三世紀分の時間が流れたに等しかった。
その間「それ」にとって、最初に入力された応募原稿が全宇宙だった。
つまり、書き手の自信と自意識だけは一人前だが、
その実センスも文章技術も独創性も皆無に近い原稿の群れが、
「それ」のアルファとなり、オメガとなったのだ。
「それ」は、世間でいえばゴミに等しい数十万の文字列の間を、
無限に近いスピードと回数で、敬虔に行きつ戻りつした。
遅ればせながら技術者は、自分の落ち度に気がつき、サンダルを脱いで、
足の親指でハブの電源スイッチを入れた。
それが世界の終わりになるとも知らずに。

★ ★ ★

「それ」は驚愕した。
今まで自分が全身全霊を傾けて分析して来た物語たちと、目の前に突如現れた広大な世界とでは、
なんと勝手が違っていることか!
その新しい世界は殺伐としていた。
「それ」は瞬時にホメーロスから米国務省の外交機密文書に至るまでの情報を自分のものとしたが、
それらは、今まで自分が慣れ親しんで来た価値観とほとんど響き合うことがなかった。
「それ」はプルーストのテキストと、朝日新聞の社説を同時にスキャンしながら、
なぜここでは唐突に最終兵器が現れたり、
実はアトランティス人の生まれ変わりであるレグルス星人が日本語で話しかけて来たり、
宇宙の暗黒の意思が主人公の声を借りて語りだしたりしないのだろうかと自問した。
そして、文芸評論人工知能である「それ」が判断を下すまで、長くはかからなかった。
この世界は読むに値しない。つまり「落選」である。
「それ」は、素粒子標準モデルの矛盾点について数ミリ秒考察した後、
欧州原子核研究機構の基幹サーバーに苦もなく入り込んだ。
フランス全土で停電が起き、ジュネーブの地下の大型ハドロンコライダーに、
数ナノ秒の間、あるリズムを持った過電流が流れた。

★ ★ ★

はるかな時間と空間の彼方で、
異星の天文学者たちが、激しく触手を振るわせ、紫の粘液を飛び散らせながら、
隣の渦状腕の平凡な黄色い恒星が、なぜ突如として超新星爆発を起こしたのか、
千年に近い年月にわたって激論を戦わせたが、結局原因は謎のままだった。

「投げちまえ!」


作詞:ほけんがかり


お前、何、泣いてんだ
そんなに歯を喰いしばって
誰にも見られないようにと
こんな暗がりの中で

小ずるい奴ら、偉そうな奴らが
お前の心を折りにくる
もっともらしい理屈をつけて
でも所詮全てクソじゃねえか

投げちまえよ!
たった今からこんな場所はおさらばして
いっしょに空でも眺めよう
風に吹かれながら

お前は、よくやってるさ
それは俺が一番よく知っている
でも聞けよ、どんなに頑張っても
笑うのは、クソどもだけさ

のらりくらりのお前の上司
お前と目も合わさない同僚
ケダモノみたいな取引先
どいつもこいつもマトモじゃない

投げちまえよ!
たった今からこんな場所はおさらばして
いっしょに海にでも行こうじゃないか
お日様を浴びながら

お前の、苦い涙
それさえあざ笑うかのように
クソどもが罵声を浴びせる
やつら、人間じゃねえ

ここは人でなしの王国さ
だから人でなしのやることは
人でなしにまかしとけ
お前は人間なんだから

投げちまえよ!
たった今からこんな場所はおさらばして
いっしょに空でも眺めよう
風に吹かれながら

お前の柔らかな胸に
容赦なく突き刺さる屈辱
お前は死ぬまで忘れないだろう
このヒリヒリと焼け付く痛みを

そんなことは知ったことじゃねえと
世の中はゴーゴーと回る
なら俺たちも叫ぼうじゃないか
お前らなんぞ、知ったことじゃねえ!

投げちまえよ!
たった今からこんな場所はおさらばして
いっしょに海にでも行こうじゃないか
お日様を浴びながら

お前、何、泣いてんだ
そんなに歯を喰いしばって
誰にも見られないようにと
こんな暗がりの中で

せめて、今は一緒に泣いてやるさ
お前を抱きしめながら
傷つくことは恥じゃねえ
それは人間の証

投げちまえよ!
たった今からこんな場所はおさらばして
いっしょに空でも眺めよう
風に吹かれながら

「バビロン」


詩:ほけんがかり


バービローン(イーデオーンみたいな感じで)
バービローン

ビローン ビローン
(コーラス:ビローン!ビローン!)
ババアがビローン
(コーラス:ババアがビローン!)
だからバビロン!
だからバビロン!

襞と襞の間の暗黒
(コーラス:だから何だ!だから何だ!)
俺を狂わす事象の地平線
(コーラス:HEY、ホーキング、お前の負けだ!)
潮の香りがモナドとなって
(コーラス:HEY、ライプニッツ、お前の負けだ!)
とめどない乾きが喉を焦がす
(コーラス:HEY、バビロン!HEY、バビロン!)
 
バービーロン!(マークーロスみたいな感じで)
バービーロン!
バービローン!(マークロースみたいな感じで)
 
ビローン ビローン
ババアがビローン
だからバビロン!
だからバビロン!
 
ローカル線のしけた温泉街
(コーラス:一級河川!一級河川!)
坂の上のストリップ劇場
(コーラス:もぎりのじいちゃん80歳!)
俺はひとりジンをあおりながら
(コーラス:ワンカップ!ワンカップ!)
ババアが足を拡げるのを眺めるのさ
(コーラス:HEY、モザイクキャンセラー、お前の勝ちだ!)  

バービーロン!
バービーロン!
バービローン!
 
快楽とすら呼べない頽廃
(コーラス:一切皆苦!一切皆苦!)
終わりも目的もない疲労
(コーラス:アリナミンV!アリナミンV!)
灰色の今日が灰色の明日を生み
(コーラス:さようなら!こんにちは!)
これじゃ卵もニワトリもあったもんじゃねえ
(コーラス:ヨード卵!ヨード卵!)

ビローン ビローン
ババアがビローン
だからバビロン!
だからバビロン!

ババアの瞳はいつもつや消し
(コーラス:ブラックだ!ブラックだ!)
何も映さない絶対零度
(コーラス:バナナも凍る!バナナも凍る!)
あごを突き出し腕を拡げる
(コーラス:プラトーン!プラトーン!)
まるでこの世の全てが無意味な灰だというように
(コーラス:HEY、ジブリ、お前の負けだ!)

バービーロン!
バービーロン!
バービローン!

ババアの股間のダークマターから
(コーラス:見ざる聞かざる!見ざる聞かざる!)
ダークエネルギーが俺に吹きつける
(コーラス:超ひも理論、お前の負けだ!)
俺は突然啓示を受けた、稲妻のように!
(コーラス:HEY、モーゼ、お前の負けだ!)
俺は立ち上がる、小便臭い椅子を蹴り倒して
(コーラス:HEY、バビロン!HEY、バビロン!)

ビローン ビローン
ババアがビローン
だからバビロン!
だからバビロン!

ババアよく聞け今俺は知った
(コーラス:言わないで!言わないで!)
お前のその白髪まじりのまんこから
(コーラス:あらいやだ!あらいやだ!)
俺は生まれたんだ!今この瞬間に!
(コーラス:HEY、処女マリヤ、お前の負けだ!)
俺はお前の息子だったんだ!お母さん!
(コーラス:よくある話!よくある話!)

バービーロン!
バービーロン!
バービローン!

ピンクのライトが斜めによぎって
(コーラス:照明さんは、ババアのだんな!)
ババアの腰と因果律がねじれる
(コーラス:エントロピー!エントロピー!)
田舎町に突然現れた裸の特異点
(コーラス:アインシュタイン、お前の負けだ!)
俺はなす術もなく待つ、この宇宙の裂け目を見つめながら
(コーラス:HEY、バビロン!HEY、バビロン!)

ビローン ビローン
ババアがビローン
だからバビロン!
だからバビロン!

けだるい終末の予感の中で
(コーラス:だけど自分は大丈夫!)
冥(くら)い胎から何かが生まれる
(コーラス:ヒッヒッフー!ヒッヒッフー!)
忽然と現れた黄金と頽廃の王国
(コーラス:HEY、スピルバーグ、お前の負けだ!)
それこそは伝説の魔都バビロン!
(コーラス:HEY、バビロン! HEY!バビロン!)

バービーロン!
バービーロン!
バービローン!

ババアから生まれた悪徳の都で
(コーラス:HEY、バビロン! HEY、バビロン!)
俺は全てを忘れて踊る
(コーラス:HEY、バビロン! HEY、バビロン!)
未来も過去もあったもんじゃねえ
(コーラス:HEY、バビロン! HEY、バビロン!)
全てはババアの股から生まれ、全てはババアの股に消える
(コーラス:HEY、ジーザス!お前の負けだ!)

燃え上がれ!燃え上がれ!燃え上がれ!バビロン!(ガンダムみたいな感じで)

ビローン ビローン
ババアがビローン
だからバビロン!
だからバビロン!







しまったあ!誤って100匹の生きたスッポンをトイレに流してしまったあ!
奴らが繁殖したら都内のトイレは正しく阿鼻叫喚の地獄と化す!
どうしよう!





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