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夜は音楽を聞くものじゃない
夜はしじまに耳をこらそう
安らぎつつ 警戒しよう
夜のとばりの裏側で 聞き耳を立てている
いま一人の自分を

私はその顔を知らない
ただ 低い 聞こえるともつかないささやき声
それだけを 聞いたように思う
おだやかな空調のうなり
かすかに響いてくるきりぎりすのすだき
それらのはるか底で とつとつと語られる
いまだ聞きとられたことがなく
これからも永久に 広漠な薄明の中を
力なく徘徊する他にない
秘密の言語(ことば)
そうしたものを 聞いたように思う

そのつぶやきを 耳の底で
天空から滴ってくる雫に責め苛まれて
震えながら濡れそぼる若葉のように
受け止める 私は

まるで非英雄的な冒険譚
とどまる者の 動けない者の
そうした者たちの 夜夜のまだらな燐光
どこかで蛙が鳴きだした
かれらもまた 動こうとはしない
恋するかれらは
ただ歌う ただ待つ
鳴きやんでいるとき
かれらは聞き耳を立てているのだ
自分の歌声が闇の奥に向かって消尽してゆく
その様に
なすすべもないという
その暗く巨大な安らぎの中で

私もまた
そうした夜の歌が歌えれば
何と幸せなことだろうか
しかし私は歌わない
私のできることは ただ耳を澄ませること
夜のしじまの裏側の いま一人の私の声に
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